アート・フォトギャラリーを歩く(上海編) Vol.1

2010年中国初の万博の開催地であり、2014年には第1回目のフォトフェアも開催され、写真を含めたアート・文化全般への関心も高まってきている中国を代表する都市、上海。

長年、外国人居留地であったため、中国の中でもひときわ国際色豊かで前衛的。観光にビジネスに外国人の往来も多く、日本からは成田、羽田、関空を初め、各地方の空港からもアクセスが良く、近年ではLCCなどを利用しすいぶん手軽に行けるようになりました。

現地ではどのようなアート・フォトのギャラリー文化が広がっているのか、上海でのイベントやスポットをまとめてみました。ぶらっと観光、創作のヒントなどを求めて訪れてみるのもいいかもしれません。

ギャラリー散歩(上海編)

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上海のアートイベント&フォトフェア

せっかく訪問する海外、ギャラリーを散策することに加え、大型イベントのスケジュールに併せて予定を組めばより一層効率的に楽しむ事ができるでしょう。
近年、上海では新しい美術館、博物館のオープンが相次ぎ、それに伴いそれら施設での大小様々なイベント・フェアが開催されています。

a.上海ビエンナーレ | SHANGHAI BIENNALE
上海二年展とも呼ばれ、1996年に第1回目が開催されて以降、2年に1回開催であり今回2014年11月23日~2015年3月31日で第10回目となっています。
2012年の第9回から新しくオープンした「上海当代芸術博物館」に会場を移し、混雑も解消され落ち着いて展示を見学する事ができます。「当代芸術」は日本語でいえば、「現代アート」の意。

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b.フォト上海 | PHOTO SHANGHAI
アジア地域での写真を商業的に扱い売買するフェアといえば、2009年から開催されている東京フォトソウルフォトなどがありますが、今一番注目を集めているのが2014年に第1回が開催されたフォト上海ではないでしょうか。

photoshanghai
Affordable Art Fair Hong Kong、世界一の参加者を誇るフォトコンテストSony World Photography Awardsを運営するイギリスのイベント会社Montgomery社によって運営されたこのフォトフェアは、マネジメント会社への信頼に加え、中国市場への期待感から世界各地から多くのフォトギャラリーの参加となりました。

今後、このフェアの規模はどうなっていくのか、アジア地域での写真売買は根付いていくのか、動向を注目するのも面白いかもしれません。第2回目は、2015年9月11日~13日の3日間、前回と同じく市街の中心地に位置する上海展覧中心で開催されます。
 

上海現代アートの中心地、莫干山路(MoGangShanRd)

上海では上述の大型アートイベントやフォトフェアが開催されていますが、この街が発信する最先端アートを語るとするなら、旧紡績工場街に数多くのギャラリー、工房が集まったアートスペース莫干山路は外せないでしょう。

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中心地から少し離れた場所にあるため、向かうとすればタクシーでの移動になると思いますが、タクシー費用は日本程高くないため、日本人駐在員や日本料理店が集まる虹橋・古北地区からであれば、片道35元程(約670円、1元=19.2円 2015年3月現在)で行く事ができます。向かう途中、喧騒な上海市街から一変し、急に現れる莫干山路添いのウォールペイントに雰囲気が高まります。

a. M50号街
M50号街の中には、中国人近代アーティストの作品をいち早く世界に紹介した「香格納画廊(ShanghArt Gallery)」をはじめ、写真の手焼きを楽しむ「ダークルーム(暗室)クラブ」などマニアックなスポットまで、大小100軒以上のギャラリーやアトリエが入っています。
路地の奥やビル上階など小規模なスペースが数多く存在する事に加え、日によっては開廊していないギャラリー、どこで告知されているのかもわからない中国・欧米合同の学生によるイベントなども突発的に開催されており、数回に分けても楽しめるスポットだと思います。
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国際色豊かで様々な国籍の方が観光に訪れてるのを見かけますが、日本人にも馴染みのあるエプソンのギャラリーエプサイトや女子美術大学が展開するJoshibi Art Galleryやジブリ映画の「耳をすませば」で背景美術を担当された井上直久さんの作品を取り扱われている日系ギャラリーがあるのは驚きでした。
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b. M97ギャラリー
M50街から向かいの通りを右手の方向に進んでいけば、上海を代表するフォトギャラリーM97がビルの一角にあります。1階の入口が小さくが見落としそうになりますが、建物の外から見えるM97のボードが目印。
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2階への段を上がれば、白を基調としたモダンな品位を感じる内装に中国を代表する現代写真家の作品が期間毎に展示されています。
筆者が訪問した時には、東京のZEN FOTO GALLERYでも作品展が行われた事がある阿斗氏の新作品『LEAVES OF GRASS』の展示期間でありました。
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古びた住宅街に多国籍なギャラリー、レストランが入り混じる観光名所、田子坊(TianZiFang)

莫干山路と並んでもうひとつ、古い住宅地に民芸アート店や雑貨店がひしめく上海を代表する観光地『田子坊』も観光に加えて、アート、写真という観点からも見所が多く楽しめます。
元々、田子坊は画家の黄永玉が「戦国策」(戦国時代の書物)に出てくる芸術家の名をとって名づけられたとの事。アーティストが集う場所に育つという願いからのようです。今では文化、商業、観光、生活が融合した不思議な光景が見られるスポットとして国内・海外の観光客に人気を博しています。

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a. 泰康路210弄5号ビル
田子坊は北側建国西路と南側の泰康路の間の区間に広がっており、南側の泰康路210弄5号ビルには下写真のようなポップなギャラリーから中華色の強いギャラリーまでが数多く集まっています。
ごちゃごちゃと店舗や建物が密集している地域ではありますが、どの建物にも住所プレートが貼られている事からさほど迷わず見つける事ができると思います。
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b. ボウジェストフォトギャラリー
泰康路210弄5号ビルの5階、荷物搬送用のエレベーターにガタガタ揺られ上がった先には、海外のベテランから中国の新人写真家まで幅広い作品を扱う気鋭のギャラリー、ボウジェストフォトギャラリーがあります。
筆者の訪問日が悪く中に入る事ができませんでしたが、本ギャラリーは土日のみ開廊であり、平日であれば電話予約をしていれば対応可能して頂けるようです。
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c. XMLフォトグラフィー、RUI YUANフォトグラフィー
お土産やインテリア向けとして、写真家が自身で撮影した写真を写真商材として観光客に販売するギャラリーがあるというのは中国ならではのような気がします。
詳しくは、アート・フォトギャラリーを歩く(上海編)Vol.2で深く取り上げていきます。
上海の都市風景、都市に変貌する過程で壊れていく街並み、中国の農村・またそこで暮す子供達のポートレートなどキャッチーなテーマの写真を多く見る事ができます。
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ざっと早足ではありますが、上海のイベントやスポットを紹介してきた本まとめ如何でしたでしょうか。
アート・フォトギャラリーを歩く(上海編) Vol.2では、それらのスポットで扱われていた「プロダクト」に関して、もう少し深く掘り下げて見ていきたいと思います。

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