キレイな写真プリントを行うには、プリンタの各種設定を理解し、モニター画面と写真プリントの色を会わせるカラーマッチングが大事な要素になってきます。ここではCanonプリンター、Adobe Photoshop Elementsを使用しながら、最適なプリンタの設定方法を解説しています。
例えば、Photoshop Elementsを使用した場合、『カラー処理』設定において、『プリンターによるカラー管理』、『Photoshop elementsによるカラー管理』かを選択する必要があります。また選択した際、他の設定に矛盾が生じないように気をつける必要があったりします。
そういった部分に注意を払いながら本レッスンを参考にして頂ければと思います。
作業環境: PIXUS Pro-100(Canonプリンタ)
インクジェット写真用紙
adobe photoshop elements 12
Widows OS
*上記作業環境は参考例です。プリンタメーカー、プリンタ型式、Photoshop Elementsのバージョン、OSの種類によって異なる場合があります。
手順1.編集ソフト(photoshop Elements)でプリントを開く
Adobe Photoshop Elementsの起動を行い、上部メニューの『ファイル(F)』のプルダウンメニュー一覧から
『開く(O)』を選択し、プリントを行いたい画像を選択します。
選択した画像がPhotoshop Elementsの画面に現れたと思います。
次に、『ファイル(F)』のプルダウンメニュー一覧より『プリント』を選択します。
手順2.詳細オプションを設定する
プリント設定画面が表示されたら『プリンターを選択』で使用するプリンタ(ここではCanon Pro-100)を選択し、それから左下の『詳細オプション』をクリックします。
詳細オプション画面が表示されたら➀『カラーマネージメント』タブを表示し、➁『カラー処理』に『Photoshop Elementsによるカラー管理』を選択。➂『プリンタープロファイル』に、使用する用紙のプロファイル(注1)を、➃『マッチング方法』に『相対的な色域を維持』を設定し、➄『プリンターの環境設定』ボタンをクリックします。
(注1)各プロファイル名称の最後についている数字は印刷品位を表しており、数字が低くなるほど高品位の設定で印刷されます。(例.Canon Pro-100<1/2> Photo Paper Pro Platinum とCanon Pro-100<3> Photo Paper Pro Platinumであれば、前者の方が高品位ということになる。)
手順3.用紙設定を行う
プリンタのプロパティ画面が現れるので➀『基本設定』タブを表示し、➁『用紙の種類』で使用する用紙名(例.光沢プロ プラチナグレード N)を設定、➂『色/濃度』で『マニュアル濃度』を選択し、➃『設定』ボタンをクリックします。
マニュアル調整画面で『マッチング』タブを選択し、色補正は『なし』を選択して『OK』ボタンをクリックします。
これは、前述の『詳細オプション』の『カラーマネージメント』設定において、カラー処理を『Photoshop Elementsによるカラー管理』を選択し、また、カラープロファイルを設定していることから、仮に色補正をありとした場合に生じる補正の2重掛けを避けるためです。
プリンタのプロパティ画面に戻るので『OK』ボタンをクリックします。
詳細オプション画面に戻るので『OK』ボタンをクリックします。
手順4.プリントを行う
プリント画面に戻るので『プリント』ボタンをクリックします。
いかがでしたか?
以上でカラーマッチングに対応したプリント作業の終了になります。
出力された用紙を十分に乾燥させてから、お使いになって下さい。
マメ知識1: それぞれのマッチング方法
上述の説明では省きましたが、プリント設定画面の『詳細オプション』設定において、マッチング方法が色々ありますので、各特性を参考までに記載致します。
写真プリントにおいては、『知覚的』か『相対的な色域を維持』を利用するが一般的となっています。
「知覚的」
グラデーションが奇麗に再現できる写真画像に適した方法です。目で時た時の色とオリジナルの色に違和感がないようにマッチングします。
以下は特徴です。
・色空間が圧縮されます
・人の目に色が自然に映るように、色間の視覚的な関係を保護
・色と階調がシンクロして変換されるので自然
・元画像より彩度が下がる場合が多い
・色域外の色が多く含まれる写真に向いている
・日本の印刷業界の標準マッチング方法
「相対的な色域を維持」
白色点が補正されます。変換元と変換先の両方の色空間に収まっている色を正確に維持する事が重視されます。
以下は特徴です。
・色空間を圧縮しません
・再現できない色は、もっとも近いカラーに変換されます
・「知覚的」に比較して極めてカラー値の変動が少なく、色が忠実に変換される
・ただし階調より色を優先して変換するので、グラデーションは注意する必要がある
「彩度」
オリジナルデータの鮮やかさを維持してマッチングを行います。色相は重視しません。ビジネスドキュメントに適しています。
以下は特徴です。
・色の彩度を最優先に考えた変換
・色そのものが変わっても彩度は維持したいというケース
「絶対的な色域を維持」
白色点が補正されない。変換元と変換先の両方の色空間に収まっている色を正確に維持する事が重視されます。色を変えたくない企業ロゴなどに適しています。
以下は特徴です。
・色空間が重なる部分はそのままにし、はみ出す色だけを無理矢理中に収める
・出せない色は全て色域の限界の色になるので、階調は犠牲になる
マメ知識2: 黒点の補正に関して
Photoshop Elementsのプリンタ設定画面では現れませんが、Photoshop CS5以降であれば、『黒点の補正』という設定項目が表示されます。この取扱に関してです。
カラーマッチングを前提に考えれば、「黒点の補正」のチェックマークは外してください。キヤノンのプリンタープロファイルは、「黒点の補正」がオフになっていることを前提に作られおり、これがチェックされていると必要以上に暗部が明るく(浅く)プリントされる場合があります。
マメ知識3: ART PLUSのインクジェット写真用紙
ここまで本チュートリアルをお読み頂き有難うございます。
最後に当店で取り扱っているリーズナブルで高品質なART PLUSのインクジェット写真紙の紹介とさせて頂きますが、ご容赦ください。
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